ICE BAHN:
「NO RHYME, NO LIFE ~ 『カタさ』へのこだわり」

それがフリースタイルだと思うよ

――:フリースタイルやバトルで、3人でマイクを奪い合っていますが、実はそこ最後まで俺に任せて欲しかったや、助かったって思った事ってありますか?

玉露:毎回だよね。

FORK:基本相手が言った事に対して、1個思いついたらGOなんだよ。それでGOしたら後は誰か持ってってくれよって。だから奪い合いであり、助け合いなんだよ。それを重ねてくと、「あ、この先ないな」ってわかるの。そしたら入るっていう。ライムとライムの間の言葉とかでわかる。

玉露:あ、その言葉でてきたら無い合図だなって。

FORK:完全にこの人手ぶらでいってるっなってときがあるんだよ。

玉露:ちょっと質問の回答とはずれるけど、バトルとかフリースタイルとかでみんな当たり前のようにやってるけど、当たり前すぎて誰がオリジネーターかわからない部分で、1個俺が言っときたいのは、バトルで最後の人が言った言葉に対して、韻を踏んで返すっていう技は、FORKが編み出したって言うと大げさだけど、これ即興だっていうアピールするひとつの技で。だけど、俺たちがはじめたときは、KREVAくんがフリースタイルのなかで、ここにあるのはなんとかっていう踏み方をよくしてたのね。それって当たり前すぎて、当時のラッパーみんなやってたんだけど。だけど俺は、あれはKREVAくんが出した即興アピールするための技だから、使いたくなかった。だから、フリースタイルに対してマイクを奪い合うっていうのは、オリジナルの俺らの技だから。3MCならではだし。だから3人で盛り上げるっていう。

FORK:昔はもう、3人だけでスタジオ入って、2時間3時間ってずっとやってたし。だから、そのKREVAさんとかがやってたスタイルも、いかに即興だって伝えるかのための技だったんだよね。その後に、更にもっと即興性をと思ったら、相手がさっき言った言葉を使う。いかに即興だって伝えるかって。この3人でやってた時も、ずーっとやってるとさ、同じ事ばっか言うから、自分の中で言う事なくなってくるんだよね。そうするともう、相手が言った事からどうするかしかないから、それでうまれてきたのかなって思って。

KIT:すごい話だよね。

FORK:スゲー他人事じゃないっすか(笑)。

玉露:やっぱなんていうかね、ただやってるやつが多すぎる。考えないと、なかなか抜け出せない世界だなと当時から思ってた。

FORK:いかに誰もやってないことをやるかっていうのを、常にこの3人の中で模索してた。それを見つけるっていう作業が、3人いることによって常に当たり前だった感じはある。

――:曲の中ではDisビーフをあまりしてないと思うのですが、フリースタイルバトルで心が痛んだり逆に自分が傷ついたりすることってありますか?

KIT:やっぱあるよね。だってむしろ、そういうえぐいところを見たいってのがみんなあるじゃん。馴れ合いのなんか見たくないじゃん。だからそこはあるよね。よりシリアスな方がおもしろくなるっていう。

玉露:いつも傷ついてるって感じかな。なんかさ、リアルかリアルじゃないかっていう定義って、難しいとは思うんだけど、世間の人の判断って、不良か不良じゃないかになってるような気が俺はしている。でも不良のがリアルで、不良じゃないやつがリアルじゃないとは俺は思わない。やっぱリアルの定義って、等身大の自分を反映してるかしてないかだと俺は思う。だから、そういった意味で、いつも俺なんかはリアルだから、リアルに発するってことはリアルに受け止めるから、いつも傷ついてる。だから、おもしろくないこと言われたら傷つくし、俺も言うからには、そこまで突拍子の無いことは言わないかな。カッってあつくなってるときに発した言葉は本当だし、だからあんま変なこと言わないでよ~、言われたら、俺も言い返すしかないじゃ~んっていう。そういう感じかな。

FORK:エンターテイメントだからって飲み込める部分と、飲み込めない部分ってのがあるかな~。それはそいつの人となりだったりとか……、お前の言ってるそれは本当か?って言われたら本当じゃねぇなっていう感じがすごい伝わるやつに言われると、なんだコイツって思ったりするけど。本当の言葉かそれ?ってのがスゲーいっぱいある。そういったところで冷めていった部分もあるかもしれないね。昔はそれがもっとよりリアルだったというか、そのリアルってのが難しいんだけど、そういうこというやつは本当だったことが多いかな。

――:リリックを書くときと、フリースタイルをする時では頭の使っている部分が違うってよくきくのですが、そうですか?

FORK:そうだと思うね。フリースタイルは浅いところしか使ってない感じがする。普通に書くって事に関しては深く考えるし、フリースタイルは瞬発力だと思うね。

玉露:延長線上にあることは間違いないと思うよ。おれ脳の仕組みわかんないけど、同じ思考回路通っていくとは思うよ。フリースタイルの言ったことに責任持てってのも酷な話でもあるんだよな、実際は。いったこと全部ホントかよって言われるとさ。

KIT:それはかなり困っちゃうよね。

FORK:ただ昔はそういう酷な世界でしたよね。

玉露:うん、その世界通ってきた経験はデカかったよね。

KIT:歌詞書くときは音を聞いて、まずラップしてみるじゃん。で、この言葉じゃ納得できないなーって思ったら、それを書き換えられるからね、リリックは。

玉露:俺ら音源には責任持つけど、フリースタイルには責任持たないよね。それがリアルじゃないって言われんなら別に結構ですよって。

FORK:あんとき、フリースタイルでこう言ってましたよねって言われても、おれ覚えてない(笑)。リリックに関しては覚えてるから、確かにその時はこう思ってこう言ったけど、今もこうだよとか、今は違うよとか言えるけど、フリースタイルに関してはまったく覚えてない。

玉露:それがフリースタイルだと思うよ俺は。

そこでもICE BAHN舐められちゃダメだよね。 

――:玉露さんとFORKさんはお酒が飲めないことで有名ですが、それでクラブで困った事って無いんですか?

玉露:いや、毎回困ってるよ。

FORK:うん。

――:クラブって普通の人からしたら怖い印象もあると思うんですけど、お酒が飲めないと余計怖くないですか?

FORK:怖い。

玉露:怖い。

FORK:(笑)。そういう意味では怖い。

玉露:だから俺ら嗅覚は優れてるよね。あ、バーカウンターの雰囲気、今はいっちゃいけないときだ!って。

――:やはり無理やり飲ませるってのはあるんですか?

玉露:うん、やっぱね、これだけまわってると、各クラブに名物飲ませ屋みたいなのがいるんだね。で、例えそいつを見た事無くっても、あ、コイツだな、ってわかるの。もうそいつの近くには寄らない。

KIT:で、大体そいつと肩組んでるのが俺。

玉露:そういった意味でもね、わかれてるんですよ。例えば酒担当とかね、担当っていうと変だけど。地方でそこに根差してるB-BOYって絶対いるからさ、そいつらとつながるってのは、ものすごく大切だから。そういったときに、お酒ってのはひとつのツールだからさ、地方行って、間違いないライブだけやればいいやっていうのじゃ、俺はダメだと思う。やっぱそれは1つの幹だけど、KITはお酒だったり、それがすべてじゃないけど、煙草好きなやつは好きだし、朝方に風俗行くのは俺だし。そういうことで、それまたうまく3人バランスが良いんですよ。3人ね。3人。

奉行:いやいやいやいや……。

FORK:その土地の酒豪はKITさんと飲んでスゲー仲良くなって、煙草吸いにいこうよってなった時はたいがい俺がいく。で、朝方ちょっと抜きいこうよってなったらたいがい玉さんがいくっていう。でもそれも実は大切でさ、そこでスゲー仲良くなることもあるし。

玉露:やっぱね、そこでもICE BAHN舐められちゃダメだよね。

KIT:出された酒は全部飲むしね。

玉露:踊ってもらったからにはどんなブスでも俺はいくし、そこで文句はいわないしね。

FORK:バーカウンターで、指何本か立てるだけでテキーラとか出してくるみたいなやつは危ない。

玉露:危ない。いるわそういうやつ(笑)。もう、そいついたらバーカウンター並ばない。

――:これはクラブ行く前には知っておきたいですね。

FORK:酒飲めない人はだね。飲める人は、もうそこに近づけばただ酒飲めるからね。仲良くなれるし。しれーっと立ってればもう頭数入ってるし、覚えてないしどうせ。

玉露:例えばだけど、ケンカとかに巻き込まれるんじゃないかとか思ってるなら、それは100パー無いって言っても良い。なぜかっていうと、そういう連中はそういう連中としか揉めないから。音楽楽しんでるようなやつに、絡んだりとかはまずない。それはそれでほっとけばいい。

FORK:近所の駄菓子屋の方がよっぽど危ないよ。カツアゲとかされたりするし。

――:ヒップホップ以外にも韻を踏んだ曲やキャッチコピーが増えたように私は感じるのですがその現象についてはどう思いますか?

FORK:ヒップホップじゃなくても、特に洋楽の音楽とかロックとかポップスにしても韻踏んでんだよね。日本はそんなに無いね。アメリカでは、ヒップホップに限った事じゃないんだよね。ヒップホップを日本語で聞いた時に、それが際立って聞こえるだけで、元々あるものだよね。

KIT:もっとわかりやすく言うと、韻っていうカルチャーって要はダジャレじゃん? 厳密には違うけど。だけど、元々すごいシリアスなものじゃなくてライトなものだよね。それをカッコよく聞かせるからヒップホップであって、もともとライトな物だからコマーシャルとかにも使われるよね。

FORK:もっと言ったら、その原型みたいなのは五七五とかさ、そういう世界からあるんじゃないかな。

玉露:脚韻とかさ、そういう古文とかであるような。そもそも韻って言葉が日本語である時点で。ただ、これヒップホップに影響受けてから派生したやつだなってのはなんかわかるけどね。そういうのに関しては、俺はおもしろいとは思ってない。さむーと思ってる。

FORK:うまいことやってるやつもあるっすよね? そこはセンスっていうか。

玉露:うん、でもこいつヒップホップから影響受けたなってのはわかる。ヒップホップの韻って、ラッパーの専売特許だから。ヒップホップの韻を他で使うと寒いよね。

line line line line line line line line line line line line line line line line line line line line