涼平(メガマソ):
「ぺこぺこぺこりんわーるどへようこそ♪」

3人の世界の中でやれる、新しい試み。

――:2010年、ブログを介したファンの方からの質問において、「僕の頭の中は常にそういう(独特な)世界が現実の世界と隣り合わせで広がっている」とおっしゃられていましたが、そのような世界が誕生したきっかけを教えてください。

涼:あ、僕がそう回答してました!?そんなこと言ってたんだ(笑)。そうですね、僕の持論から言うと、15~16歳くらいまでに得た知識とかってのは、結構、一生のベースになってるなというのがありまして。僕、本を読むのがすごく好きなんですけど、15歳くらいまでに読んだ本とそれ以降に読んだ本とでは、記憶の残り方とか完全に違って。やっぱり、ここ3~4年の間に読んだ本とかって、もちろんおもしろい本とかもあるけど、正直読み返すことも少なくなってしまったし。読んだけど、大雑把にしか覚えてなくて。でも、中学生くらいまでに読んだ本の内容で、未だにくっきり思い出せる話の内容とか、あと、また読み返したいなって思って読み返すものとか。その頃までに読んだ本の内容っていうのが1番、世界には繋がっているのかなって。そう思ったのが、ほんのここ2~3年で。それまではね、自分のオリジナルな世界だと思ってたんですけど。あ、もちろん今でも、オリジナルな世界だとは思ってるんですが。その、自分のオリジナルな世界を生んだのは、やっぱりそのあたりに読んだ本からなのかな。

――:楽曲の世界観からして、ファンタジー作品を読むことが多いんですか?

涼:いや、そうでもなくてですね。僕の場合は、父親の読書棚からいろいろ摘まんで読んでいたので、意外と理系っぽい作家の作品も多くて。僕、安部公房っていう作家の作品がすごい好きなんですけども、その人の作品は全集も買って全部チェックしてて。あと、筒井康隆さんとか、そういう元々理系の人の書く作品が好きですね。でも、最近はあんまりいろいろ細かいのは読まなくなってしまって。移動中やホテルでミステリーを読んだりとか。ああいうのが好きですね。

――:世界観についてと同時に、「歌詞を書くときはあまり深く考えていない」ともおっしゃられていましたが、現在でも歌詞は自然と書けるものですか?

涼:それは未だにそうです。全然深く考えていなくて。これはほんと不思議な話で、僕の中では、作曲はすごく楽しいんですよ。でも、歌詞書くのは、実はそこまで楽しくないんですよ。ただ、メガマソになって初めてプロデューサーが付いて……。プロデューサーと一緒に仕事やった時に言われたのは、「歌詞の方が独特だからそっちを活かした方が良いよ。」みたいな。そう言われてから、歌詞の重要性には目覚めたというか……。うん。完全に深くも考えないし……。スタンダードな歌詞を書くときの方が、時間かかるぐらいですね。

――:最近の作品には、旧約偽典シリーズなど、過去の曲の再録が多いなと思うのですが、何かこだわりが?

涼:こだわりというか、ちょっと曲が多くなりすぎたと。もう、たぶん150曲近くあるので。そうなると、やっぱり昔の曲ももっかい、今の形で作り直してやりたいよねって。やる機会が減ってきてしまう曲も多いので。やる機会減ってるけど、僕らにとっては良い曲だよねってのを作り直してます。あと、単純にテクニックの上昇もあるので。特に、最初~3枚目ぐらいまでのアルバムに関して言うと、時間さえあれば取りなおしたいなと思う部分もあるので。

――:個人的には、「ライデンムシュフシュ」を再録してほしいなと…。あれって配信限定でしたよね?

涼:確かに。あのあたりの曲たちは、いつか取りなおしたいなと思ってます。ただ、理想としてはシングルで切りたいなと思ってて。「ライデンムシュフシュ」とか「みなづき、みっそう」は。でも、一度出した曲をリカットするのは、もうちょい勢い付いてからやる方が……。まあ、これはあくまで理想なんですけど。

――:最近の作品には、掛け合いも多いなと思いまして。「ブラインドイノセンス」とか。これにも何かこだわりが?

涼: (同じバンドを)8年もやってると、聴きごたえとしてもマンネリしてしまうので。そういったときに、コーラスに僕の声とかが入ると、たぶん聴く側もちょっと新鮮に感じるというか。バンドってやっぱりどうしても、今のメンバー3人の世界じゃないですか。3人の世界の中でやれる、新しい試み。でも、作曲とか作詞とか、クリエイティブなことはそう簡単には変えられないから、他の部分で変えられることってそういうところかなって。そう考えるとほら、ライブでインザーギがギターを持ったりとか。彼が弾くと、たぶんライブの見え方も違うし、お客さん的にも新しいし。そういう姿が見えるっていうのは、すごい大事かなと思っていて。あと、曲によってはGouにアコギを弾いてもらったり。そういうところは常に、考えてますね。

――:ライブと言えば、今年9月の「SALVATION#1~まんげつのよるはふたりきり~」と、11月の「SALVATION#2~空虚の百合が咲く怪物~」というツアータイトルは、すごく対照的だなと思うのですが、何か繋がりが?

涼:繋がりはSALVATIONというタイトルだけ。救済と言う言葉の意味だけが繋がっていると思ってもらっていいですね。「まんげつのよるはふたりきり」っていう3本のライブに関して言うと、契約上の問題で、すぐにもろもろリリースできなかったんですよ。でも、すぐにファンの子たちに届けたいというのがあって。僕ら、会場限定シングルのツアーってあんまりやりたくなかったのですが、今回はもう、早く届けたくてやったっていうのが、#1なんですよ。だから、ふたりきりってそういう意味もあって。準備もまだ間に合わないけど、それでも活動してる姿を見せたいなと。今年の6月に、前の事務所の集大成のライブとして、「トーキョーイノセンス」というタイトルで「ブラインドイノセンス」のライブをやってるんですけど、そのときの延長線上に近いですね。#1は。で、次は逆に「St.Lily」のリリースがちゃんと発表できて。#2からが、また今までのようにバックアップしてくれる大人たちもいる状況で、形をしっかり見せられる場所かな。僕らが新しい形で動き出した最初の姿っていうか。新しいメガマソの世界観が見せられるかなと思って。それはたぶん、ファッション的な意味も含めて。

――:確かに「St.Lily」は今回、お化粧も薄いし、新鮮ですね。

涼:そうなんですよ。でも、そこも気分というか。「まんげつのよるにぬけだして」のときは、逆にちょっと濃いというか、ダークな方向に持って行ったり。それはたぶん、今後も気分で変わりますね。曲調とかはあんまり縛られたくないというか、薄くなったからどうこう、濃くなったからどうこうってのはなくて。あと、「St.Lily」は、メイクは薄いんですけど、アートワークとしてはビジュアル系なのかなって。うさぎの仮面であったりとか、あと、ジャケットの絵も。最近、アートワークでハマる方が新しく見つかったので、新しい作品からはその方ともタッグを組んで、そういう世界観はまた引き続き、やれたらなと思ってます。

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