夜行性のドビュッシーズ:
「魂を揺さぶる音楽を目指して」

映画の何気ない日常のセリフなんかがすごく好き

――:夜行性のドビュッシーズは歌詞がすごく印象的なバンドだと思います。影響を受けたものなどはありますか?

キクタニ:ちっちゃい頃から本を読んでいて、もともと小説家になろうと思っていたんですよ。でも、高校のころの進路指導の先生に「小説家は書かざるを得ない人がなるものや、君は小説を書かないとだめなのか?」って言われて。そうでもないですねぇって思ったら、小説家に失礼だと感じていったん辞めて(笑)。

キクタニ:でも、じゃあどうしよう?って、それからもノートにずっと文章は書き続けて。それがあるとき、歌ったらいいんちゃうんって気づいて歌いはじめたところもあって。だから、日常的に本は読みます、日本の古い文学も読むし、海外のものも自分なりに読んだりはしてますね。

――:歌詞からはがむしゃらな印象を受けますが、そういったものは読まれますか?

キクタニ:余裕ある感じとか、作品とかでも好きじゃないというか。書かざるを得ないから書く、みたいな死ぬ気でやっているようなものが魅力的やと思っていて。だから、そこまで人を動かすものが僕のなかで無くなってしまったら、おしまいやとも思う。

――:では、ふだん触れているものからこういった歌詞が生まれてくるという……。

キクタニ:でも、自分のなかで大きいのに映画もあって。映画のセリフがめちゃくちゃ好きなんですよ。何気ない日常のセリフなんかがすごく好きで。

カガラ:映画とか見に行ったらよく、「あんときのセリフが」みたいに話してくるし。僕は全然そんなことなくて、「そんなんやっけ?」みたいになるんですけど(笑)。でも、そういうのが好きなんやろなぁって。

キクタニ:よく言うことかもしれないけど、映画って総合芸術で、音楽も映像も役者のセリフもあって。でも、音楽には音しかないから言葉の意味をより損なわずに伝えるためにはどうしたらいいかって考えると、映画にそれが前例としてあったりする。たとえばカフェで煙草吸ってるっていうのも、書いてるのを見るのと、映画で見ながら聞くのでは全然違うから、その違いっていうのを考えてます。

――:映像だから単純に情報量が多い、ということではなくですよね。

キクタニ:そう、自分の感動したその本質を探るというか。もちろん理論立てていつもそんな風に考えているわけではないけど、そのとき受けた印象っていうのを書いてます。本を読むっていうのは日常的にしてるから、吸収自体はとめどなく、なんにでも興味があるので……でも、身に迫るような作品が好きだったり。詞を書く上では、続けるバイタリティと意思、そして書くことが運命的な仕事っていうのを忘れないようにしています。

――:歌詞に乗せる語呂も気にされているかな、と思うのですが。

キクタニ:気にはするけど、収まらなくても別にいいかな。自分のなかに、たとえるなら「めっちゃノリいいアメリカ人」と「気難しい日本人」みたいな2人がおって(笑)。曲作るときはノリいいアメリカ人がリフ考えたり、ノリノリで出してきてそれをメンバーに伝えるんですけど、家帰ったらそこからは日本人のほうが「こうあるべきだ」、「あらねばならない」、「だがしかし!」みたいな感じで詰めていくイメージというか。分かりやすくいうと、その2人が条約を結んだら完成、みたいな(笑)。だからアメリカ人は……。

カガラ:さっきから何言うてんの(笑)。

キクタニ:とにかくノリが大事やから難しいことはやめよう!って感じやけど、日本人の方からすると、楽しいだけじゃなくて伝えたいことがあるんだ!

カガラ:(アメリカ人っぽく)踊れればいいじゃん!サビとか短くしちゃいなよ!って(笑)。

キクタニ:でも日本人の方は絶対に言いたいんだ、って。だから僕らの曲Aメロばり長かったりして、サビ一回しかないのに。

――:歌詞の話をされてるときと、曲の話をされてるときでも、感じが違いますね(笑)。

キクタニ:二重人格じゃないけど、その間の取り方というか。基本的に僕らのやってる音楽って、海外から来てるものっていうのがあるから、言葉のノリっていうのは悪い。でも、自分の主義として言葉を濁したくなくて。好き、って言葉がメロディに寄せすぎて聞こえにくくなったら、真剣なこと歌ってるのにそう聞こえないというか。日本語で最後までストレートに言い切りたい。ほんで、日本語で僕らが海外の文化に乗っかってやる面白さっていうのは、多分そこを探ることでもあるので。

――:そのあたりはとくに慎重にされているんですね。

キクタニ:タイトルとかもすごくこだわっていて、自分のなかで旬みたいな言葉があるんですけど、「ロクでもない夜へ」とか「さよなら熱狂」とかも造語というか、この一文は絶対に今まで無かったもので。日本人の方の僕が、それだけ突然言うんですよね、「……さよなら熱狂。」みたいな(笑)。で、そういうのをあっためとく。

カガラ:歌詞とか見てても、多分これが自分のなかでハマってる言葉なんやろなぁ、っていうのはあったりするけどね。キクタニ独自の言い回しみたいなのがあって。

キクタニ:めんどくさい人間なのか、凝ったものを出したいっていうところがあって。普通にしてもつまらない、とか余計なことが面白いみたいな。

よく勘違いされるんですけど、僕ら盛り上げようなんて一切思ってなくて

――:周りのインディーズシーン等も踏まえて、自分たちのライブの特徴や、手ごたえを感じるライブについて聞かせていただけますか?

キクタニ:ロックシーンって、イェーイ!みたいな感じが多いんかと思うんですけど、僕らの曲は感情の極みというか、そういうのが多いからか、来てくれる人も極まってる人が多いんですよ、盛り上がるときは盛り上がるけど、僕がテンション上がってウオオオってなっても、それをじっと見るのが好き、みたいな人もいて(笑)。僕らは全力でやるから、伝わらなかったら終わりという覚悟は決めたので、そこに戸惑いは感じないようにはなったんです。だからライブの良し悪しはハッキリ分かるようになってきたかなぁ。

――:フロアの盛り上がりだけがライブの良し悪しではない、ということですか?

キクタニ:僕らのライブって、普段あったちっちゃなことを大きい力に変えて分かち合うっていうのが目的でもあるから……自分の記憶が無くなるくらいライブで出せたかどうかも大きくて。

カガラ:キクタニを軸にライブを組み立てているので、めっちゃ楽しそうに弾いてるけど、めっちゃ走ってるみたいなときでも俺らはついていくので、それがグルーヴになっていくのかな。

――:ドビュッシーズのライブを見て感じるのは、バンドの持つ熱量の凄さです。

キクタニ:泣き笑いというか、感情の極致みたいなものをライブでは出したいんですよ。

カガラ:それに、ライブ見てて自分が見たいバンドっていうのもそういうバンドだし。

キクタニ:だからたまに勘違いされるというか、ロックバンドだから盛り上げて!みたいな事を言われたりもするんですけど。

カガラ:僕ら盛り上げようなんて一切思ってない、もちろん盛り上がってくれたら嬉しいんですけど。

マーシー:自己救済というか、それしかないからステージに立っているので。

キクタニ:どうしてくれ、みたいなのが無いんですよ。でも、そういったものを伝えるためには30分っていう時間は短いし、演奏の精度は上げていきたいと思ってるんですけど。僕らは目の前にいる人に届かなあかんし、ライブハウスに来れない人にもちゃんと届けないととは思っていて。

――:周りのバンドに影響されたり、流行のジャンルを意識されたりはあまりないですか?

カガラ:ロックシーンがどうっていうのは、ある程度の認識はしてると思うけど。

キクタニ:どこかのシーンが盛り上がってるっていうのは、より多くの人に伝えるためにバンドにとって大事なことでもある。でも、このバンド俺らと同じジャンルの人やな!みたいな風に思ったことが無くて。もちろん一緒にライブしたいバンドはいっぱいいるんです。けど、僕らはより自分たちの確立したものを作りたいって考えてますね。

【 夜行性のドビュッシーズ公式サイト 】
  • 【 2014年10月13日、6thシングル発売! 】
  • 夜行性のドビュッシーズ 6枚目シングル
  • 【 2014年12月5日(金)、ワンマンライブ開催! 】

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