夜行性のドビュッシーズ:
「魂を揺さぶる音楽を目指して」

ふだん来てくれてはる人たちにも、良い意味で裏切りたいというか

――:今年も3枚出されるということなんですが、その最初の1枚『親愛なるロクでもない夜へ』は、早い曲でまとまった非常に攻撃的な1枚でした。バンドとして今年の3枚にはどんなコンセプトがあるのでしょうか。

キクタニ:今年出すのは、より1枚目のシングルが3つに分かれた、みたいな。で、今回はライブの前半にやる曲を詰めこむ、みたいなのがあって。自分らのライブって音楽性の幅が広がるにつれて、30分という時間に収まりきらなくなるという(笑)。こんなのもこんなのもある、ってやってると本当に時間が足りないんですけど、自分らのサウンドとしてロックチューンというのは絶対にあるのにしばらく出していなかったな、って。フワフワした路線に行くのかな?と見せといて、しっかりしたロックチューン、しかもゴリゴリしたものを出すという(笑)。ふだん来てくれてはる人たちにも、良い意味で裏切りたいというか。

カガラ:路線変更するのかな、と思いきや忘れてへんでっていう(笑)。

キクタニ:だから、バンドのふり幅というのは常に広げて行きたいなとは考えているんです。僕のやりたいことは全部とにかく形にしようと。去年のシングルよりさらに濃厚な3枚にしようと考えています。

マーシー:演奏する側としては大変な注文も多いんですけどね(笑)。今回のCDでも3曲ともリズムの落とし方っていうのが全然違って…… もうどれだけ練習したか(笑)。曲ができて録音するときも、録りだした瞬間に「なんか違うぞ」ってなったり。じゃあそれを形にするための特訓や!って、ドラムと深夜にほとんど毎日スタジオに入ってなんとか録音したり。

キクタニ:リズムがちゃんとしていないと、曲って本当に話にならないというか、だから2人には要求が大きいし、曲を作るたびに苦労はかけているのかなぁ。

マーシー:「こんなドラム叩いたこと無いよ」って文句がでるほど、今までやったことの無いリズムを探したり。

ムサシ:口で言われても、ドラムって口で言うのは簡単なんですよね(笑)。

マーシー:もともと要求は高かったんですけど、『オールドスポート』からは「他に無いの?」って。

キクタニ:「他に無いの?」でスタジオ終わることあるもんな(笑)。

――:そういうとき、カガラさんはどうされてるんですか?

カガラ:僕は基本、上ものなので、キクタニの歌を邪魔せず、どこで目立つかっていう。だから曲によって、どれだけギターソロにこめれるかっていうのを考えて、今回はめっちゃ苦戦しましたけど。

キクタニ:シングルを出すたびに、僕がどんどんワガママになっていて(笑)。でも、そうならんとバンドに未来はないんですよ。

カガラ:今回のレコーディングからは、クリックっていうちゃんとしたリズムで録るっていうので、僕もずっと練習してたんですけど、いざレコーディングのブースに入ってみたら、キクタニが「違うな、こうじゃないな、なんか無いの?」って(笑)。基本的に「こうやってくれ」が多いんですけど、こんな土壇場だけ求める?みたいな(笑)。

キクタニ:多分、曲作ってレコーディングまでのスパンが短いんですよね。3枚出す縛りがあると、どうやったって期限ができて。それってどうやねん?みたいなのはあるかもしれないですけど、目的としては自分たちの理想に近いものをこれだけの数出す、という。曲っていうのは成長していくものやから、その時の音をちゃんとこめて出すことが一番大事なことであって、後々、上手になって、自分らの曲を省みたりっていうのは今もやってるんですけど、新曲と一緒にどんどん成長させていったらいいと思っていて。

キクタニ:とにかく、一番は前に進むことがバンドとして大事で、だから曲作るときは、ドラムに僕が口出しをはじめてベースに「もっと無いの?」をやってると、カガラの時間が全然ないんですよ、だから弾いとけって(笑)。僕も歌わないといけないので、歌詞作ったり、自転車操業みたいにギリギリで、というか、普通にハミ出してるんですけど。とにかく自分が納得できるものじゃないと僕は出したくなくて、妥協したようなものを出してしまうと、やってる意味もなくなるぐらいの。

カガラ:身を削るようなレコーディングをね、納得できるまでやって出し続ける。

キクタニ:でも、お客さんもそれが聴きたいんやと思うし。ライブ見て余裕もってレコーディングする僕ら見たら冷めるでしょ(笑)。というか、そういうバンドの生活をしていたなら、あんなライブにはならないんじゃないかな(笑)。

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