パンダの穴:
「『いらないもの』は意外と人を幸せにする」

面白いものを表現しようとするところ

――:ふだん何かを作る時に、大切にしていることってありますか?

徳井:大切にしてること……。くだらないことを本気でまじめにやる。ということは大切にしています。

飯田:言葉にするのは難しいんですけど、みんな共通しているのは自分が面白いなぁと思うものは、自分の感性が反応するものじゃないですか。だから自分が面白いものを表現しようとしているところは共通していると思うんです。その面白いと思うものは人それぞれ違っていて、ゾンビが面白いなとか、サメフライとか……伊藤は他にも色々面白いアイデアがあるんですけど、それを見ていると本当にどこまで考えているのか分からないんですが(笑)。 でもやっぱり面白いんですね。それは伊藤が、面白いなと思うものをただアウトプットしているだけなんです。そこにはあまり策略などなく、自分が面白いなぁと思うものを作っている感じで。一方、森の場合はコピーライターなので言葉と造形と両方同時に考えてるか、もしくは言葉を先に考えています。まだ商品になってないものでもネーミングが面白いんですよ。

飯田:あと、企画っていうのは造形から入る場合と言葉から入る場合両方どちらからでもいいんです。新商品「自由すぎる女神」はプレゼンをどうやったかと言うと、ネーミングだけのプレゼンをやったんです。「自由すぎる女神」って言う企画があるんですけどどうですかっていう。それだけでも分かるじゃないですか。造形がなくてもそこに企画が集約されているので。あとは、「考えない人」っていう実績があるので、もう当然おもしろいものをあげてくれるんだろうなと…だからプレゼンとしてはお金も労力もなにもかかっていない良いプレゼンだったと思います。だからほんと、人それぞれ違うんですよね。

飯田:それから、世間を見ている目にしても、クリエーターは日々成長しています。毎年毎年、それか昨日一昨日とちょっとずつ視点は変わっていくんです。例えば、震災があった前と後だと当然視点も違うし、「こうだ」っていう核心的なものって、みんな持ってないはずなんですよ。だからその都度その都度変わっていくもので、同じガチャっていう企画でも月日が経てば全く違う企画のものが出てくるんですよ。だから、(視点というのは)たぶん流動的なはずなんですよね。

――:では変わっていく世の中を意識的に取り込もうとしているようなことはありますか?

飯田:うーん……それは二つのタイプがありますね。ものすごく今流行っているものって何だろうってアンテナ張って研究しまくって、それを追及するタイプの人と、今回のパンダの穴なんかは、そういうのは一切どうでもいいから自分の好きなことをやろうよっていうことで、あまり今流行っているのはなんだろうかって気にしている人は一人もいなくて。

――:パンダの穴とかに限って言えば楽しいとかおもしろいことが原動力になって全部動いていっている感じですか?

飯田:なんとなく、そういうところが根源にありますね。

――:くすっと笑えることを意識して作られていると思うんですけれど、そういったものを作る立場として考えることはありますか?

飯田:みんな違うかもしれないですけど僕なんかが思うのは、やっぱり下品な笑いはなんとなく嫌だなぁと思うんです。なんか可愛らしく、くすっとする微妙なセンスというか。そこは気にはしてますけどね。あと、分かりやすい笑いっていうよりかは、ちょっと分かりづらいかもしれないけど、こっちのほうがシュールで面白いよね、とか。そういう微妙なところをなんとなく狙ってるような気はします。

――:その微妙なところを綺麗に突いている感じはしますね。

飯田:そこはなんだろうな、今まで養っている経験から判断するものも往々にしてあると思います。あと日頃一緒に仕事をしているので、なんとなく笑いのツボとかセンスとかが、共通認識みたいなものとして多分あるんでしょうねぇ。例えば「考えない人」とかも一歩間違えれば最低な物が出来る可能性もあるんですよね。ポーズ次第で。でも脱力系というか、本当にいい塩梅でこうなってますし。

――:日常生活での自分が大切にしている視点や切り口というのはありますか?

伊藤:んー、難しく考えた事ないなぁ……。まぁ、ずっと何かを考えているので。意識してないんですけど、多分仕事のことを皆四六時中考えています。どうなんですかね。普通の仕事の人と絶対違う気がするんですけど、普通の仕事をやったことがないから分かんない(笑)。

徳井:伊藤さんが言ってた通りなんですけど、ずっと一緒なんですよね、オンオフが無くて常に考えている感じはあります。

飯田:本当、起きている時はやっぱ絶対何か考えているんですよね……正月ぐらいです、何も考えないっていうのは。

伊藤:でも年明けになんかあると、完全に休めない感じですね。長い連休の後にあれがあるなとか、絶対頭の片隅にありますね。

森:僕はネタ帳みたいなものがあります。携帯なんですけどね。なんか思いついたらポチポチする、みたいな。

伊藤:クリエーターみたいだ……(笑)。

森:ダジャレですよ、こういう真面目なのじゃなくて (笑)。

line line line line line line line line line