Brian The Sun:
「彼女はゼロフィリア」発売記念インタビュー

今はちょうどメジャーとインディーの間にいる感覚

――:それを踏まえて、Brian the sunはそれからずっとインディーズで活動されていますが。

m:元々、自分たちのものは自分たちで作りたいって思ってたから。

s:当時、メジャーに行っても自分たちに力がなかったらやって行けないと感じていたし、先にしっかり自分たちでメジャーで戦っていける力を身につけたいと考えていましたね。例えば、自分たちの力で地方ツアーにも回ったことがないバンドになにができるんだろうかとも思っていたし、そういう部分も踏まえて地力を付けたかったんですよね。

――:メジャーにこだわる必要がないような?

m:今は当時と環境も変わったし、メジャーを一つの選択肢くらいにすごい冷静に考えれるようになったよね。

s:最近、メジャーの中にも新たに細分化されたレーベルができすぎてて、メジャーのインディーズ感てのがあるよね。

m:メジャーの最大の魅力って、お金を使ってもらえるとこにあると思うから、それがあんまり活かされへんのやったらそんなに意味ないと思う。

s:身近にメジャーにいったバンドの存在があるから、いろいろ内情とかリアルな話も聴くし、けど俺らの今のやり方って自分らで事務所と一緒にメーカーがやらなあかんことをやってて、そこで得るものも多いんですよ。

m:今ちょうどメジャーとインディーの間にいるような感覚で。自分たちと事務所が中心になって活動をしているからこそ生まれる選択肢もある。自由度の面でも、活動にあたってのストレス感も、信頼できる人と進んでいけるという点ですごく健康的。

――:事務所の話をもう少し聞かせてもらってもいいですか?

m:なんせ情熱でやってくれてるんですよね。

s:一般的な事務所の活動とは一線を隔してるというか。何より僕たちの音楽を信じてくれてて、それに俺たちも応えたくて頑張るっていう。ディレクターさんもほんとに俺らの後悔の無いようにディレクションを進めてくれるし、社長も活動の一つ一つの方向性を俺らに確認しながら進めてくれる。

m:すごく風通しがいいんですよ。事務所がそういう情熱をもって関わってくれるおかげで、回りにいるイベンターさんとかレコーディングのエンジニアさんとかもすごい一生懸命やってくれてて。ほんと人に恵まれてると思います。そういう環境に置かれてる分、気持ちも楽ですね。昔は、自分たちで自主制作のCDを出してるっていうことにすごい意味を感じてたんです。一つのものを作るにあたって、モノを作るにはやっぱりお金が必要で、それを自分たちで賄うことに、当時は意味を感じてたんです。今まで自分らでずっと自主制作とかいろいろ考えてやってきたのに、それが急に大人がついたからっていって「全部お任せします」っていうのでは、俺らが今までやってきたの何やったん?て思うし、そうなるのが嫌だったんですよ。そういうインディペンデントな活動の仕方に、もしかしたらプライドを持ってたんかもしれないですね。そうは言っても、自分たちだけではやっぱり足りない部分も山ほどあって、みたいなジレンマの中で、今の事務所と出会うわけです。俺たちのそういったプライドや志を、今の事務所は理解してくれたというか。

――:自主的な活動を求めていたんですよね。

m:すべて任せっきりになってたりとか、自分たちでなにも把握してないと、やっぱり順番が逆になったりすることになるから。だからこそ、事務所とアーティストの風通しは良くあるべきだとも思っていました。

s:たぶんちゃんと話し合えば最終的に行き着くところは、例えば「武道館をお客さんでいっぱいにして楽しませたい」って一緒やと思うんやけど。順番にやってきて、で、その先に武道館ていうのがあったのに、そういうのも全部抜かして、ベスト盤を出して聴けば武道館を楽しめるとかやっちゃうから、最終的にどっちも武道館でお客さんをいっぱいにしたいっていう気持ちがあるのに、手段が全く違ってくるってなると。

m:閃光ライオットが終わった後にメジャーに対しての考えが確信に変わる出来事があって、メジャーへの警戒心が高まったんですよね。

s:でも直前までは本当にノリ気だったんですけどね、ついに来たな!みたいなね(笑) 皆で話もしたけど良太は俺がメジャー行こうって言ってたら乗ってたと思うし。実際、深夜に呼び出されたんですよ、「大事件だから」って(笑) で、来るまでは良太はメジャーに行くって俺が言うか半々ぐらいで考えてたと思うんですけど。行って、そのとき「やめよう」っていったら「おまえもそう思ってたのか」と。じゃあ今回は見送らせてもらおうか、と。

m:お互い違和感を感じてたということに少し安心もしました。

s:あの時の実力でメジャーの話に乗ってたら逆に今活動できてるかも怪しいと思うし、そんなに甘くないとも思ってたし。

――:そうやって確認しながら進んでいくことが必要だと考えている?

m:そうやって着実に活動を続けていきたいとおもってるから。

s:でも一周できたかな。活動してCD作って……っていう流れの中で。実際、最初はワンマンとか大阪・東京でしかできなくて、でも次のシングル出したから東名阪で企画をしてみましょう、と。で、それもやって、夏にアルバムができてツーマンでライブやってみたら全部売り切れて。じゃあ、東名阪以外のところも行こうという事になって去年(2013年)の10月くらいから三ヶ月で北海道から西は熊本までなんですけど全国30箇所で行けていない所もあるけど大体全国も回れた。だから、全国も回れたしフルアルバムも出せたという事でバンドとして一通りのことは一旦できたかな。

2007年に初めてレコーディングした曲から2013年に出来た曲まで入っているアルバム

――:では、そのフルアルバム『NONSUGAR』についてお聞きしたいんですけれども。

s:まずフルアルバムっていうね、自主制作の頃から数えても俺たちは今までシングルしか作ったこと無くて。4曲以上のCDって作ったことないんですよ、そう4曲までしかない! ……で、初めてのフルアルバムの経験になるんですけど、曲は元々今までやってた曲がほとんどで。だからレコーディングの時に苦しくは無かった。

――:今までの集大成のようなアルバムに感じます。

m:このフルアルバムっていう所に至るまでに俺らは6年ぐらいバンドやってるわけで。僕らもまだ23とかそこらやけど、やっぱり集大成みたいなものは見せたかった。だから、そろそろアルバムを作ろうという話になった時に全力を出しましょうとなって、自分たちの好きな曲を全部バーっといれたというアルバムになっている。コンセプトとかはないかな(笑)

s:だからベストみたいな感じかな。でも作った22歳というタイミングを逃したらもうこれ以降入れれないだろうな、という曲はいっぱいあって。だって、高校のときからやってる曲もあるからさ、1stにしかいれれないだろうな、っていう部分はあるかも。次のアルバムを作った後とかに1stを聞くと「らしさ」っていうのは出てくると思うよ? ……でも追々ね(笑)

――:2013年までのBrian the Sunというバンドの記録のような。

s:2013年の正月くらいに2ndのシングルを録ってたんだけど、作り終えてからそのままアルバムも作っていったから、2007年に結成して初めてレコーディングした曲から2013年に出来た曲まで入っている。『最初っから今まで』みたいな。あえていうならそれがコンセプトと言ってもいい笑でも、本当はこのアルバムは10曲の予定だったんだけど、それを全部録り終えた後に曲順を決めると言うね、楽しい作業があって(笑) それをあーでもない、こーでもないとするうちに足りない曲があるんじゃないかとなって、それで足したのが2ndシングルに入っている『アレカラ』って言う曲。そこは少し苦労したかな。マスタリングは全曲し直したりしているけど。

――:『アレカラ』をいれた理由についてもう少し聞きたいのですが。

s:さっきも話したとおりシングルを4曲、4曲で出してきたから2曲とかならリード曲があって、「カップリング」みたいな、そういうのがあるかもしれないけどそんな特にカップリングにしようみたいな意識は無くて。

一枚のCDを聞いてどう感じてもらえるかな、っていうのを一番大事にして作ってる

――:作品ごとにアルバムのようなまとまりがありますよね。

s:だからカップリングを無理やりいれた、みたいな事は全く無い。単純に曲があって、アルバムになりそうというか。

――:集大成的な、バンドにとって全てを出し切ったアルバムが出来て。続いて3月に出るミニアルバム『彼女はゼロフィリア』に入っている曲は全て新曲なんでしょうか。

s:5曲とも始めてレコーディングした曲なんやけど、4曲は新しく作った。一応ね、1曲だけ2、3年前くらいからある曲はあるねんけど録った事はなくて。で、ここからが初めての経験になってくるやんね。

m:たしかにたしかに。

s:1stの時は今まであった曲を録って出してたけど、新しい音源を作るために製作をしていってて。コンセプトがあって作っていて、で、そのコンセプトに合った昔の曲を足して5曲になってできた。

――:曲が目覚めたというか(笑)

s:そう、寝かしていたやつ「今や!」みたいな(笑) ライブでもほとんどやってなくて、曲出来た当初にさ、嬉しくて「バンドでやりたい」ってなるやん(笑) そういうときに1、2回やったぐらいかな。でも、だから今やっと出来るようになったような。あと、最近のスタジオではさっきの話とは逆になるけどあえて「カップリングっぽい曲」を作ったりもしてる。曲の作り方が変わったかな。

――:それは、1stアルバムを経験して集大成を見せたということはバンドにとって相当大きな事だったという・・・

s:(食い気味で)おっきかった。

m:言葉が難しくて。例えば推し曲、カップリングっていうけどバンドからしたら全部推し曲なわけですよ。

s:音源に入れるくらいですからね。

m:そうそうそう。だから皆はコンセプトすごいあって作ろうとするかなと思うんですけどシングルを3枚切って、アルバム出しますみたいなそういう動き方が先にあって曲をつくっていくみたいな作業、そればっかりが一般的にある気がする。でも、なんかバンドって本来そうじゃないし。フォーマットが先にあって、シングル3枚出してからアルバム出しますみたいな。じゃあ1枚目のシングルの推し曲あって、カップリングはこれでいきましょうみたいな。僕らも結果的にやってる事は同じかもしれへんけど、そこに至るまでに「カップリング」、「推し曲」とかそんな風には作っていないし。その1枚のCDを聞いてどう感じてもらえるかな、っていうのを一番大事にして作ってるから。

s:俺らの場合、「推し曲」を決めるのにめっちゃ時間かかるのね。シングル録りますってなって、4曲ピックアップして事務所的にもOKですってなってからリード曲きめるねん。だから『アレカラ』と『baked plum cake』の時もどっちにするっていうのを最後まで考えてたし。最初の『sister』と『藍色に。』っていう曲とどっちのシングルにするっていうのは多分レコーディングの時ぐらいまでディレクターの人が間違っててずっと『藍色に。』がシングルやと思ってたみたいな、そう思われるぐらいもう。アルバムの時もそうで『キャラメルパンケーキ』はかっこいいと思ってるけど分かりにくいんじゃないかなとか。

m:推すべきかみたいな(笑)

s:(笑) って、なって結局2つPVつくっちゃったし(笑) カップリングっていうのを決めて作っていない分悩みながら。

m:ありがたい悩みなんやけどな。もうこれしか推し曲にせざるを得ない、みたいなことは一切ないし全部推せる。

brian 02

photo by Mami Naito

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