宇多丸(RHYMESTAR):
「ライムスターの持つ親しみやすさとは?」

宇多丸さん
ラップのあり方っていうのは日本のお笑いにすごく近い

――:ライムスターではライムスターで表現出来ることを表現していけばいいという風に以前仰っていたんですけども、これからライムスターとして表現していきたい事などの展望はありますか?

宇多丸:次はどうするっていうのはまだ考えている途中で、逆にこれっ!ていうのがあれば教えてほしいんだけど。元々ライムスターを組んだときから持っているヴィジョンの延長線上で成長しているってのがあるから、急に英語がものすごく入ったラップは始めないと思うし。あとはやっぱりもうちょっと世に認めさせるっていう感じかな、僕らを含めたヒップホップ全体を。

――:最近メディアへの露出が増えてきているなと感じるのですが、それは世間に広めるということですか?

宇:それは認めさせるとかそんなご立派なことではなくて、テレビ番組呼ばれて、やったことないし経験してみようかなということで、新しいことがあればね、呼ばれれば行きますよって感じで。でもやっぱりテレビに出続けることでなんかラップの兄ちゃんいるよねというか慣れさせるということも大事だからね。別におっかない兄ちゃんばかりじゃないんだなとか、あの人ラップの人なんだってっていうのでもいいからというのもあるかな。とにかくそれはもう大きなヴィジョンと言うよりは、自分の力を欲してくれる場所があるならばそれは行くでしょっていう。あと出来ればバラエティに出たときとか、ヒップホップ界でそれなりに地位のある人とかが他のメジャーフィールドとかに行ったときに、そっちでも結構な結果を残せるっていうのが大事かなと思うんだよね。ヒップホップの中では調子いいかもしれないけどそこから出たらあんまりとかじゃなくて。だからヒップホップ業界のナンバー1ラッパーが映画評論したらかなり良いとかさ。そういう意識は多少あると思う。面白いこと言わせてもその辺のお笑いの人よりも面白いっていう風にありたいと思ってる。ラッパーっておもしろいこと言わないと!っていうのがあるから。よくケーダブが言うんだけど、向こうでラッパーっていうのはおもしろいお話が出来る人だという位置づけで。聞けば聞くほど日本のお笑いに近いんだよね。日本のお笑いの人ってさ、おもしろい話が出来て、実際かっこいい、モテる職業なわけじゃない。その上すごい競争が激しくて。だからラップの在り方っていうのは日本のお笑いにすごく近いんだよね。なので日本でヒップホップをもっとかっこよくするんであれば、お笑いに勝たなければいけないっていう。

――:お笑いにという点でTBSラジオで山里さんと数度ご一緒されていると思うんですけども、すこし弄られ感が強い?

宇:あれはあの場所が面白ければそれでいいんだよね。そこでヒップホップは偉いんだ!って大真面目に言ったってしょうがないわけで。俺ねもう思うんだけど、ある程度の偏見みたいなものはありきだよね。だから俺よくチェケラッチョです。チェケラッチョやってますみたいなことやったり。そういう偏見は0には出来ないし、そこで偏見がある!って喚いたってかっこわるいっていうか。それよりもその場できっちり笑いとって帰る事の方がずっと大事っていうか、そうするとやるね!ウデあるね!っていうことになるわけだから。

――:最後に宇多丸さんが個人で活動していく中で表現していきたいことなどはありますか?

宇:物事がおもしろく見える見方の提示っていうことがやりたいですね。映画評論とかもそうなんだけど。あんまりおもしろいとされていないようなこともこう見たらおもしろいよという見方の提示というか、それは評論とかも一緒なんだけど。俺に言わせるとそれってすごいヒップホップっぽいんですよ。元々みんながこうだ!って思ってることに別の面白味を見出すっていうか。そういう意味ではラッパーとかって批評家的というか。だから俺の中で批評の活動っていうのはラッパーとして矛盾しないというか完全に一本の線になっているから。引き続きそれを世間に認めさせていこうと言う感じですかね。

――:本日は貴重なお時間作っていただきましてありがとうございました!

宇:ありがとうございました。撮れ高ありました?(笑)

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